三座建築事務所
S A N Z A  A R C H I T E C T S
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幼保連携型認定こども園 いまむらこどもえん
□概要
建築主:今村学園
所在地:大阪府高槻市
建物用途:認定こども園
       (幼稚園・保育所)
敷地面積:1,722.12u
建築面積:757.76u
延べ面積:1,869.75u
構造・規模:S造3階
竣工:2015.03
●設計主旨
〇継続運営による現況敷地での改築
 クライアントからの要望は、新しい園舎の完成と合わせて、幼稚園から幼保連携型認定こども園へ移行し、定員増を現況敷地で実現したいということであった。
 建設年度となった2014年度も現況敷地で幼稚園運営を継続するため、新園舎建設を東側第1期・西側第2期と分割して計画した。
 第1期工事は敷地東側の既設園庭を区画して行い、旧園舎での継続運営を確保した。
 新たに加わる給食室機能は、第1期部分に配置し、準備期間に備えた計画とした。
 第2期工事は、第1期工事完成部分を幼稚園運営に使用する中、既設園舎解体・第2期部分建設と工程が進行した。
 両期の取合い部分については、第1期完成部分に仮設間仕切壁等を設置し、区画して仕上げた。
〇園は第3の保育者
 新しい園舎は、レッジョ・エミリア・アプローチ考えたいと、設計当初からクライアントの明確なビジョンがあった。
 考察した北イタリアのレッジョ・エミリア市にある、ディアナ幼児学校は、教育と保育は不可分のものとされ、
 その実践においては、建築の空間は第3の保育者に位置付けられている。
 第1と第2は保育者であり、設計空間が第3の保育者たりえていることを目指した。

<こどものまち・園舎>
 3階建ての建物の各室を結ぶ階段室を明るい’ガラスの箱’とし、ピアッツァのような中心空間とした。
 廊下に変化を与え、間仕切り壁はこどもの背丈から上部を透明ガラスとすることでガラスの箱と一体的に多様な景観を展開してくれる’街路’のように計画した。
 ’街路’に面する1・2階の保育室と教室は、南側と東側に配置し、外部の2つの地上庭園とつながる開放的な環境とした。
 保育室と教室は、オープンな形式にも対応できるようにスライディングウォールを計画した。
 3階は大人の活動する室を主に計画し、運動場を見渡せるように職員室を配置した。

<こどもの色彩と内外部仕上げの調和>
 色彩はこども自身が豊かな色彩であるととらえ、外部・内部ともに色彩を抑制した素材を選定した。
 外観に現れるバルコニーと屋外階段の手摺・屋上と外構のフェンスはデザインを揃えた。
 こどものスケールに合わせた’街路’に、縦につながる’ガラスの箱’からやわらかい光が入り込む。
 ’街路’には、こどもたちが行き交い、豊かな創造活動や生活の様子が伝わってくる。
 アトリエのような各室での活動の成果が’街路’を飾り、’ガラスの箱’は光あふれる表現の場となる。
 素材そのものの質感と、維持管理を含めた使い勝手とのバランスに留意して構成したデザインが、こどもたちの活動と表現を引き立てる役に立てばうれしい。